術場カメラシステムで手術室や病床をモニタリング!

防犯カメラの運用と活用

手術室の映像を院内に伝える術場カメラシステムを活用して、院内の要所をモニタリング。手術室の他、ICUや病床の撮影データを医療チームで共有できます。

手術室の映像を院内に配信する術場カメラ

手術に欠かせない術野カメラと術場カメラ

  • 手術の部位を映す術野カメラ
  • 手術室全体を映す術場カメラ

術野カメラと術場カメラはどちらも医療を目的とするカメラです。術野カメラは、血管や神経など手術部位の細部を鮮明に映し出す医療用カメラです。対して術場カメラは、手術室全体を撮影して室内の映像を他室に配信するためのカメラです。手術の進行具合や患者の容態など、手術室で起きている状況を共有したり、記録するために使用されます。

術場カメラで手術室の様子をリアルタイム配信

術場カメラシステムは、手術室全体をカメラで撮影して、撮影データを医局やスタッフステーションにリアルタイム配信します。手術室内のスタッフの様子、手術の進行具合、患者の容態など手術室の実況を医療スタッフ間で共有することができます。

それでは、どのような目的で術場カメラが使われるのでしょうか?実際に病院で使われている術場カメラの用途をご紹介します。

術場カメラの映像で麻酔科医が手術室に入るタイミングを計る

術場映像を配信することで、麻酔科医が控室で手術の進行具合を確認できます。処置のタイミングを正確に把握できるため、適切なタイミングで手術室に入ることができます。

術場カメラの映像で手術の状況を他室にいるスタッフと共有する

医局やスタッフステーション、または複数の手術室に術場の映像を配信することで、医師や医療スタッフ間で手術中に起きている状況を共有できます。手術室では患者の容態が急変するなど、秒単位の対応が求められる場合があるかと思います。手術室で起きている状況をリアルタイムで把握し合うことで、敏速でスムーズなチームの連携に大きな効果を発揮します。

手術室だけじゃない! 院内の要所をモニタリング!

術場カメラでICUやNICUの様子をモニタリング

カメラの映像でICUやNICUを24時間確認

生命維持装置を必要とするICUやNICUの様子をスタッフルームで24時間モニタリング。患者の様子を高画質映像で確認できるため、容態のわずかな変化を見落とすリスク対策に大きな効果を発揮します。

カメラの映像で新生児室の乳児を見守り

出生した赤ちゃんを預かる新生児室は、乳児の連れ去り犯罪が起きる危険性があります。新生児室にカメラを設置することで常に監視ができるため、連れ去りの防止や安全対策にとても役立ちます。生まれたばかりの赤ちゃんの連れ去りは、人身売買につながる深刻な社会問題の一巻です。そのため新生児を預かる多くの医療施設では、監視カメラや連れ去り防止システムを導入して新生児の安全を守っています。

カメラの映像で新型コロナ患者の受入れ対策

新型コロナ患者の受け入れ施設では、医療スタッフの感染対策がとても重要な課題です。非常事態や患者の急変に備えて現場の見守りは必須ですが、医療現場にスタッフが常駐することは医療従事者の感染リスクが高まります。そこで活躍するのが、遠隔で映像を確認するモニタリングシステムです。新型コロナ感染拡大以来、病院内の導線をグリーンゾーンとレッドゾーンに区別したり、屋外に医療コンテナを設置するなど感染者専用エリアを設ける病院が増えてきました。

屋外医療コンテナの用途例
  • 発熱外来
  • PCR検査室
  • 救急搬送先が決まるまでの待機室
  • コロナ感染患者専用病室

特別に注意が必要な感染病棟や医療コンテナの映像をスタッフステーションで確認できるため、スタッフが直接現場に行くことなく処置のタイミングを適切に図ることができます。遠隔で現場を確認することで感染患者と直接対面する機会が減り、医療スタッフの感染対策に大きな効果を発揮します。

カメラの映像をタブレットでモニタリング

術場カメラの配信ネットワークを利用して、撮影データをタブレットで確認。ネットワークに接続されたデバイスであれば、スタッフが移動中であったりスタッフステーション外で業務にあたっていてもモニター要らずで撮影映像を確認できます。

術場カメラシステムで医療の悩みを解決! カメラ活用事例

術場カメラを活用するモニタリングシステムは、医療機関が抱える多くの悩みを解決します!病院側の課題と要望、解決に導いた事例をご紹介します。

事例1:新型コロナ感染病棟

感染防護服を着て処置にあたる医療従事者

課題:病棟を行き来するたびに防護服の着脱を繰り返すために時間と手間がかかる

感染病棟で医療行為をするには、感染防護服の着用が必須です。しかし感染防護服を着るのは大変手間がかかり、着脱に時間がかかります。にもかかわらず、危険なレッドゾーンと安全なグリーンゾーンを行き来する度に感染防護服の着脱を繰り返さなくてはいけません。一度防護服を着たらできるだけ多くの処置や業務にあたれるよう、感染病棟内の状況を効率的に確認したいです。

解決! 高画質映像の自動切換えで、防護服を着たまま感染病棟の全室を確認

高解像度を維持できる最大4分割画面に、自動的に撮影映像が切り替わるツアー表示を設定。病床の数が多くても数秒おきに画面が切り替わるので、機器に触れることなく全病床をモニタリングできるようになりました。撮影映像は高画質で鮮明なため、病床の細部まで様子を把握することができます。

解決! カメラシステムとナースコールを連動させてリモート応対

コロナ感染患者からナースコールがあるたびにスタッフが病室に足を運ぶと、感染病棟に行く回数が増えてスタッフの感染リスクが高まります。そこで病室を映すカメラシステムと病床のナースコールを連動させて映像を確認しながら音声通話を実現。スタッフステーションからリモートで患者をサポートできるようになりました。

事例2:精神科病棟

術場カメラで病床の様子をモニタリング

課題:スタッフが多忙なため、患者の見守りが十分にできない

精神科病棟内では、自殺行為、自傷行為、暴力行為、不慮の転倒など予測できない突発的な行為や事故が起きやすく安全対策が欠かせません。安全管理の取り組みによっていかに事故を防げるかが大きな課題です。しかし、多忙なスタッフにとって患者全員を常に見守ることは相当難しく、スタッフに代わる見守りシステムで小人数で効率的に監視ができるシステムがほしいです。

解決! PTZカメラで病床やデイルームなど病棟全体を見守り 

病棟と病室にPTZカメラを設置して、スタッフルームで映像と音声をモニタリグ。PTZカメラは遠隔操作でカメラの首振りやズームの調整ができるため、気になる様子があれば、カメラに映る映像をリアルタイムで拡大できます。患者の表情や様子の詳細がわかり、状況を細部まで把握できるため小人数のスタッフで確実な安全管理と見守りができるようになりました。

術場カメラについてのまとめ

術場カメラを通路に設置して病棟の様子を確認

手術室の状況を各所に伝える術場カメラを応用することで、院内全体のモニタリングシステムを構築することができます。人手不足が深刻化している医療現場において、術場カメラシステムは手術室やICU、病棟の映像を常に共有でき医療チームの連携を強力に支援します。

医療機関へのカメラシステム導入をご検討されている際は、ぜひ防犯対策相談室Laboまでご相談ください。セキュリティとネットワークの専門防犯設備士が現地調査に伺いまして、お客様のご要望、疑問点、ご質問にお答えし、課題解決を実現するシステムをご提案します。

記事執筆:株式会社アイピー総研 防犯対策相談室Labo編集部

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