配線をすっきりさせたいからワイヤレスカメラがいいという方に、Wi-Fiで防犯カメラを使うことをお勧めしない理由についてお伝えします。
なぜワイヤレス防犯カメラを選ぶの?
屋外用防犯カメラを選ぶ際にワイヤレスカメラを希望される方が増えています。なぜ多くの人たちが”ワイヤレス”を求めるのでしょうか。理由は防犯カメラを設置する際に次のような悩みがつきまとうからだと考えられます。
- 壁に穴を開けたくない
- 配線することで建物のデザインや雰囲気を壊したくない
- 配線工事代をかけたくない
多くの人が望むことは、防犯カメラを設置したいけど、「カメラの存在を意識させず、建物のデザインを守りたい」ではないでしょうか?
しかし、ワイヤレスカメラは、ワイヤレスという名前から連想するとおり、全く配線をせずに設置できると思ったら大きな誤解があります。残念ながら防犯カメラの設置には、有線、無線を問わず配線工事が必要なのです。それでは、防犯カメラの設置工事について詳しくご説明いたします。
防犯カメラを設置する際に必要な工事とは?
防犯カメラを設置するには、なぜ工事が必要なのでしょうか?理由は、カメラを固定するため、配線するためです。防犯カメラを取り付ける際は、次のような工事を施します。
- カメラを設置する壁面などにビスで固定する、カメラの取付工事
- コンセントなどカメラの電源が近くに無い場合に電源を確保する、カメラの電源線配線工事
- カメラと録画機をつなぐ、同軸線・LANケーブル配線工事
- 配線を保護隠蔽する、配管工事
- 室内に置くレコーダーの配線を取り込むために壁に穴をあける、配線取り込み工事
配線をする際は、基本的に次の2種類のケーブルを使います。
- 防犯カメラの映像を伝送するLANケーブル、または同軸ケーブル
- 防犯カメラを起動する電源ケーブル(電源ケーブルが不要なPoC配線についてはこちら)
以上のことから、防犯カメラを設置するには、壁にビスでカメラを固定したり穴を開けたりなどの専門工事が必要です。
ワイヤレスでも配線が必要?
ワイヤレスカメラのしくみは、Wi-Fi無線でカメラと録画機のデータを送受信します。
何が「ワイヤレス」かというと、カメラと録画機をつなぐケーブルが不要ということです。しかし、結局のところカメラの電源ケーブルを配線しなくてはいけません。有線か無線、どちらを選んでも配線が必要です。
また、屋外にカメラを設置する際、電源コンセントが外になければ壁に穴を開ける配線工事が必要になることもあります。建物の美観を損なわないようにとワイヤレスカメラを選んだのに、電源線が丸見えなんてことにもなりかねません。
”ワイヤレス”という言葉のイメージとは異なり、配線工事が全く必要ないということではありません。
「Wi-Fi対応カメラでないと、スマホで見れないのでは……」という理由でワイヤレスカメラを選ぶスマホユーザーの方々、そんなことはことはありません。有線カメラでもスマホで撮影データを閲覧できます。
詳細は、「カメラ映像をスマホで見たい」をご覧ください。
電波を通しにくい厚い壁
ワイヤレスカメラ(Wi-Fi式)は上記で説明したように映像を伝送するケーブルを使用せずに、無線で映像を飛ばします。しかし、その無線電波は壁などの障害物があれば電波が弱くなったり、途切れたりすることがあります。また、金属の板が壁の中にあれば電波が通らないという事態が起こってしまいます。
まさしく電波を通すには壁が厚いんです……。
家電の電波を受けやすい
電源がそばにある室内にワイヤレスカメラを設置する場合は、カメラの電源を入れるだけで簡単に映像を撮影できる便利な一面があります。しかし、防犯カメラで使用するWi-Fi電波の周波数は、電子レンジや冷蔵庫、テレビ、Bluetooth機器など家電の周波数と同じ2.4GHzです。
そのため、カメラの近くに電化製品や無線マウスなどがあると、他の機器の電波に干渉されて回線が混線する場合があります。混線が起きると、通信速度が極端に遅くなりカメラの撮影映像がカクカク静止画のように表示されたり、停止したりと、撮影と録画が安定しません。また、集合住宅などでは隣近所で使用されているWi-Fiルーターの回線が原因で撮影や録画ができなくなることも。
それでは混線を避けてルーターの周波数を5GHzにすれば?とも考えられますが、5GHzの電波を屋外で使用することは、日本国内で禁止されています。また、 5GHzに対応する防犯カメラはありません。2.4GHzでも5GHzでも安定した電波を確保するには向きません。
ワイヤレスカメラについてまとめ
ワイヤレスカメラと言えども結局はケーブルの配線が必要です。また、壁などの障害物がある場所の設置には向きません。家電の電波を受けて撮影データの送受信が不安定になることがあります。
以上のことから、安定した撮影データを望むのであれば、ワイヤレスカメラは不向きといえます。
防犯カメラの役割は、24時間安定して撮影、録画をすることに尽きます。事故や事件が起きた時に電波の調子が悪くて撮影できなかったでは、証拠が全く残らず後悔しても遅いのです。防犯対策として防犯カメラの設置をご検討中の方は、LANケーブルや同軸ケーブルを使用する有線カメラを選ぶことをおすすめします。
専門業者であれば、建物のコンセプトを守り美観を損なわないプロの施工で美しく仕上がります。”防犯カメラだけど、雰囲気を壊さず美しく設置したい”そのご要望をかなえるなら、工事が得意な専門会社へお問合せすることをおすすめします。壁に穴をあけずに設置する方法があります!
- 入線は、エアコンダクトを利用する
- ポール等に設置する
- 配線にモール処理をする
その他、建設前や建設工事中であれば「先行配線工事」を依頼することで、外観に一切配線を見せずスッキリとをカメラを設置することができます。また、壁に穴を空けない工事でカメラを設置することができます。カメラ設置をご検討されているお客様は、セキュリティ総研へご相談ください。防犯設備士が屋外用防犯カメラの選び方から設置場所のご提案など、お客様のご要望や疑問にお答えします!
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記事執筆:セキュリティ総研 防犯ブログ編集部
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